戯曲梁祝 戊子盛夏梦羲題記




日本で初の、戯曲「梁祝」舞台公演に向けて


戯曲「梁祝」作者/古野浩昭の日誌

梁祝文化研究所
戯曲「梁祝」舞台公演実行委員会(鎌倉市日中友好協会、神奈川県日中友好協会会員)
「梁祝」日誌7

5 月 16 日(土)立ち稽古が始まった。大船行政センター3 F 集会室。稽古は夜 6 時半からだが、机の片づけなどで、 6 時に現場へ。集会室脇の案内板を見ていると、後ろから周世章役の鈴木英二と銀心役の国松知令が来ていた。ありがたい。 3 人で部屋の机を並び替え、舞台床を作る。 6 時半。東京の仕事場から駆け付けたため、やや遅れた邱夫人役の鳥居まりと、高校の生徒会活動で 2 時間遅れた書生役の渡邊勝樹を除いて、全員が定刻集合。国松の掛け声で役者一同が部屋の四隅に張り付き、早速、発声練習、続いて柔軟体操。初めて‘アエイオウオアオ'を口にした周夫人役の上岡路子が、やや緊張顔。祝英台役の青井聡子、梁山伯役の伊藤健康、山伯の母役の李文はなぜか楽しそう。私も久しぶりに大きな声を出して気持がいい。祝夫人役の大隅美和子は、初めての立ち稽古に臨んでか、真面目顔がより真面目に。 10 分後、台本の冒頭から‘立ち'を始める。既に各役者に自分の抱くイメージで自由に動くよう指示していたので‘動き'は、みな‘勘度'良好。予想していた以上に順調に滑り始めた。

‘立ち'の講評。英台。大きな声は出るが、音声が上ずりがち。よって、深窓の令嬢の可憐さ、育ちの良さが、やや希薄に。朱熹の詩文「少年、老い易く、、」(偶成)、「女子と小人、、」(論語・陽貨)の引用文の読み方も未だ‘平静さ'が足りない。読みこなしが大切。山伯。周世章(学校の先生)の部屋に招かれ、いかに礼を尽くすか、おじぎの仕方などに工夫を。四九。時々、感情の途切れが目立つ。自分の台詞がないときでも演じていることを忘れずに。銀心。この日、発生から張り切って元気いっぱい。他人の台詞を飛ばして自分の台詞を口にしたが、これは愛嬌。動きも軽やかで、これからもどんどん役柄に溶け込んでいってほしい。

周世章。全体に棒読みの印象。場面ごとの雰囲気を自分が創っていくという試みを。特に、教室での講義、‘書生たちの心をつかむ'先生に成りきる、のが肝心。‘わざとらしさ'も避けること。周夫人。‘勘どころ'良く、硬さもなく、順調。が、声が細くなりがち。観客席の奥まで届く発声を目指すこと。邱夫人。やや、肩に力が入りがち。中年女性の優しさと‘落ち着き'がほしい。

山伯の母。声が太いのが強み。病に伏す息子に注ぐ母親の愛情。その深い優しさと、悲しみをどう表現するか、さまざまな母親像に挑戦を。祝夫人。‘恐る恐る'の出足ながら NG なく、まずまずのスタート。‘付かず離れず'の夫との距離。英台に対する母ごころの工夫。‘大きな演技'を忘れずに。祝公遠。アンティゴネーのクレオン役と同様、‘ Ancient Regime '  のチャンピオン。自ら生きてきた人生(その哲学)と対立する新しい事件・思想を理解できないが、伝統を守る人間として誇りを失わないイメージを大切にしたい。

(続く)
日誌- | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |

↑このページのTOPへ  

Copyright (C) 2007 Liang-Zhu All rights reserved