戯曲梁祝 戊子盛夏梦羲題記




日本で初の、戯曲「梁祝」舞台公演に向けて


戯曲「梁祝」作者/古野浩昭の日誌

梁祝文化研究所
戯曲「梁祝」舞台公演実行委員会(鎌倉市日中友好協会、神奈川県日中友好協会会員)
「梁祝」日誌16

7 月 18 日(土)、大船の稽古場。部屋は午後 6 時から使用できることになっているが、 5 時半ころには、前の利用者によって部屋はすっかり次の利用者のために元通りにテーブルと椅子が並べ整えられており、その時刻ころ、部屋入りする私は、いつも通り、ひとりでテーブルと椅子を舞台稽古場用に片づけ、 6 時半からの稽古の準備を整えた。今日は、病気療養中だった中泉が久しぶりに仲間に顔を見せ、「梁祝」の最終幕冒頭場面で登場する「太極扇」のリーダー、大友久仁子さんを初めて仲間に紹介する。他に、上海出身の中国語講師、丁一乙さん(日本名、鈴木陽子さん)が中国語の指導、及び、中国人の伝統的所作について、アドバイスしてくれることになっている。

7 時過ぎ、関係者全員が揃い、 2 幕から‘立ち'の稽古。‘杭州の塾'の場で、先生の周世章(鈴木英二)が中国語で論語「学而」の冒頭部分を教える場。‘ツーユー、シュエアー、シューシ―ジュー、プーイーユエフー、、、'(学びて時に之を習う。また、悦ばしからずや、、、)と自分の台詞第一声を飛ばす。続いて酒を酌み交わす宴席の場で‘ハオフー'(好喝=おいしい)としゃべって、中国語の台詞は無事、うまくこなしたかに見えた。ところが、後の丁先生の指導は厳しかった。「声調がちょっとおかしい。こういうふうに言います」と発音を訂正。また、酒がおいしい、については、もてなしてくれた人に感謝する意味を込めて、‘ハオジョウ'(好酒=旨い酒だ)がいい、と的確な助言。先生らしく、明快な教え方で、仲間一同、神妙な態度で納得する。中国人のお辞儀の仕方など、伝統的な所作については、ほぼ、これまで、われわれが稽古してきた内容でOKが出た。ホッ、と安堵。

7 幕 1 場‘英台嫁入り'で実家を出発する場。結婚を祝う「太極扇」の踊り手( 4 人)がここで登場する。この日は、リーダーの大友さん一人だったが、急に踊りを披露してくれることになった(写真参照)。大きな紅色の扇をパン、パン、と開閉、ビシッ、ビシッと所作を決めていく。さすが、この道、ウン十年のワザ。約 1 分 50 秒の演舞が終わると、思わず、部屋中から拍手が起きた。満足だ。「梁祝」芝居のメリハリをつけること、間違いない。最近、中国であつらえてきたという太極扇衣装も立派なもの。本物のシルクの揃い、上下一着で 25,000 円。その熱意に頭が下がる。

「梁祝」芝居は、太極扇の踊りのほか、ヴァイオリンの実演、プロのバレエダンサーによる‘天上の舞い'など様々なジャンルの技芸が盛りだくさん。それも、これまでに全国各地で実績を挙げてきたアーティストばかり。これだけの‘コラボ'が「梁祝」舞台で観られるのは、おそらく世界で初めてとなるだろう。責任は重い。

(続く)
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