発刊本紹介
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相田翔子さんの
帯のコメントより
中国新聞社による、渡辺明次氏へのインタビュー
 
第三弾、中国各地に伝わる「梁祝リャンチュウ口承伝説集」周静書編・渡辺明次訳→購入する
前書き日本語版「梁祝伝説集」出版に寄せて
 

美しく人を感動させる(リャンチュウ Liang-Zhu )梁祝伝説は中国で既に 1600 年以上にわたり伝えられており、朝鮮、ベトナム、インドネシア、マレーシア等東南アジアの国々に広く伝播してからでも少なくとも 100年余りの歴史があり、朝鮮はずっと以前から梁祝伝説を学校の教科書に組み入れ、インドネシアでは多くの地方劇に根付き常に梁祝故事が公演され、例えば鹿特魯劇、農民劇および阿里雅舞などに取り入れられ、また伝え聞くところによれば中国の近隣日本では、西崎崇子さんなどが演奏のバイオリンの梁祝、及び日本語の漫画版「梁祝」(皇なつき著「梁山伯と祝英台」潮文庫か)が伝えれているのを除けば、梁祝故事はほとんど伝えれてはいないそうです。

数年前に日本のある学者でさえ私に、「梁祝は日本では基本的には全く伝えれていない」、と言うのです。東南アジア地域における梁祝故事は既にかなり広く、かなり以前から伝えれており、どうして日本だけが「基本的に全く伝えられていない」と言うのでしょう?私は今なおこの事実を全く信じられないのです。中日文化交流は既にゆうに千年を越える歴史があり、沢山の中国文学、かの名著「水滸伝」、「西遊記」、「紅楼夢」など日本で誰もがよく知っています。

この度、渡辺明次さんに再びお会いし、その最近の「悩み」をお話しいただきました、それは日本で「梁山伯」(人名)を持ち出すと誰でもが、「水滸伝」の中の「梁山泊」(場所の名)と間違って取る、と言うのです。これはたぶん中日の沢山の文字の形体や音が近似関係にあることによると思いますが、とにかく意外にも梁祝リャンチュウこの美しく伝奇的な故事を知らないのだというのです。
そこで渡辺さんはどうも納得がいかないので、梁祝の伝説を日本語に翻訳する決意をされ、日本の人達に広く梁祝文化を紹介しようとされ、この度わざわざ中国においでになり、梁祝故事発祥地寧波でこの事を相談され、私は彼が熱心に梁祝文化を広め伝えようとする真情に深く感動させられたのです。
この少し前に渡辺さんは日本で彼の中国語、日本語対照版の研究専門書「梁山泊祝英台伝説の真実性を追う」を出版され、日本国内でとても大きな反響を引き起こし、日本のメディアと中国新華社、「人民日報」等の多くの報道が為されました。今回彼は又「梁祝伝説」と趙清閣の長編小説「梁山伯と祝英台」の二つを日本語に翻訳し出版し、また梁祝文化研究所を立ち上げました。私は渡辺さんが将に日本で梁祝文化伝播に向け大きな門を開き、真心を持って中日文化交流の新たな一章を書き記すのを見る思いがするのです。私はこの今の経済のグローバル化、文化の多元化という動向の下、この出版は日本にとって、既に遅れてやって来た「美麗」、時流にあった「鮮花」とでも言うべきです。

梁祝故事は不思議に美しい愛情伝説で、愛情なるものは人類永久不変のテーマです。すべての国家、民族の愛情表現形式は多種多様で豊富です、とりわけ文芸作品形式の表現は、さらに多様です、それゆえ世界は煌びやかで多様であり、人類は幸せで円満で幸福であるのです。しかし人類の愛情なるものは各時代においてすべて種々人為的妨げと障害に出遭い、人類もまたそれ故歴史の発展過程の中で絶えず抗争し、真実の自由と幸福を追い求めているのです。梁祝愛情故事は人類の真、善、美を明らかに示しており、それにより長い年月の魅力を持っており、この上なく優れた絶唱と成され、かつ又広範な国際的影響力を備え、だからこそ国連科学教育文化機関ユネスコの北京駐在代表、日本の友人青島泰之先生は寧波の梁祝文化公園に「梁祝文化は貴重な文化遺産」と題辞を記されたのです。
私は日本語版「梁祝伝説」はきっと原ストーリーの優れた美しさを忠実に伝え得ること、また日本語の素晴らしい美しさを発揮しえること、梁祝伝説をさらに感動を以て多くの日本の読者に紹介されるだろうこと、日本の多くの人達がさらに中国人民の優秀な伝統と美徳、悠久の文明を理解し、絶え間なく両国人民の本当の友情が増進することに寄与することを信じて疑いません。
もちろん私も切実に更に多くの日本の学者や専門家が意を用いて梁祝を推薦、研究し、中日梁祝文化研究の展開、さらに一歩進めた中日の文化交流と協力を推し進められるよう期待しています。
この場を借りて、私は心から日本語版「梁祝伝説の出版をお祝いし、更に多くの日本の友人が「リャンチュウ梁祝」を好きになられ、梁祝が化身した蝶が美しい翼以て日本各地を飛び舞うことを願っています。
      
                                           中国梁祝文化研究会会長   周静書
            2006 年7月6日


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